あいちトリエンナーレ地域展開事業

アーツ・チャレンジ2019


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―選考委員講評―

五十嵐 太郎 木村 絵理子 角 奈緒子 拝戸 雅彦

五十嵐 太郎
TARO IGARASHI
あいちトリエンナーレ 2013 芸術監督・東北大学大学院工学研究科教授

フランス・パリ生まれ。東京大学工学部建築学科卒業、東京大学大学院修士課程修了。博士(工学)。2009年から東北大学教授。2007~2009年文化庁芸術選奨(美術部 門)推薦委員、2008年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館コミッショナー。あいちトリエンナーレ2010 では長者町企画コンペの選考委員。あいちトリエンナーレ2013芸術監督。2014年3月芸術選奨新人賞(文 化庁)受賞。「3.11以後の建築」展ゲストキュレーター、『戦後日本住宅伝説』、『窓学展-窓から見える世界-』展監修。著書に『日本の建築家はなぜ世界で愛されるのか』(PHP研究所)、『ル・コルビュジエがめざしたもの-近代建築の理論と展開-』(青土社)、『現代日本建築家列伝』(河出書房新社)など。

もうひとつの展覧会
 今回も二日の審査は大変だったが、最後のアーティストと場所のマッチングで思いの外、長い時間をとられることになった。理由は二つ。ひとつは選べる作家が最大8組であること。したがって、断腸の思いで落とさざるをえないアーティストがいっぱい出てくる。実は昨年も8組だったが、このときは低層部の限られたエリアだけが展示の候補地だった。したがって、まだ考えやすかった。今回は 10 階、11 階、12 階、屋上も復活し、作家数は同じまま選 択肢が増えたことで、場所のバランスを解くのがきわめて難しくなったのが、もうひとつの 理由である。最終的に決定した展示プランは以下の通り。  地下二階から愛知芸文センターに入ると、進藤篤による踊るルンバおばけが出迎える。右に曲がって、エレベーター付近壁は、加藤真史の描いた葉っぱが覆う。さらに進んで、通路展示ケースでは、小林美波の二次元キャラと同化するマスク群が並ぶ。外に出て、階段を登ると、踊り場において太い円柱と呼応するYuma Yoshimuraの三日月状の空間インスタレーションが展開する。今度は戻って地下1階フォーラムの北側壁面周辺では、加藤立による後ろ向きに歩く映像が日常風景を異化させる。今回初めて使われる10階の屋外庭園では、ナノメートルアーキテクチャーの鈴を集積した鐘が設置される。また12階の2つの展示室では、それぞれ三瓶玲奈の向こう側を想像させる絵と、大東忍の絵画と立体が混在する空間と出会う。  これらの作品は展覧会が実現した後、また講評を書くことになるので、残りは惜しくも落ちた作品に幾つか触れながら、もうひとつのありえたかもしれない展覧会の風景を記述しよう。地下入口のポスターケースは、前橋瞳による大きな目の女性がこちらを向く違和感の ある絵。吹き抜けでは、須藤信がARで確認できる巨大な金魚を泳がせる。地下階段には、井上修志による倒立した四角錐がぴたっと入る。地下1階の北側壁面では、阪中隆文が芸文センターの模型があることに注目し、それを生かした作品を提案した。10階のホールでは、村田仁が黒板を設置し、毎日、言葉のアートとして詩をつむぎだす。アートスペースでは、末松由華利の空間を体験する大きな絵画や、冬木遼太郎のきまぐれロスコのインスタレーションも興味深い。そして葉栗里の大きな木彫、小川愛のでかいパンなどは、審査中、候補地をさまよいながら、結局、今回は居場所を確保できなかった。いずれも惜しかった。是非、再チャレンジしてください。



あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会事務局
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