あいちトリエンナーレ地域展開事業

アーツ・チャレンジ2019


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―選考委員講評―

五十嵐 太郎 木村 絵理子 角 奈緒子 拝戸 雅彦

角 奈緒子
NAOKO SUMI
広島市現代美術館学芸員

広島県生まれ。2006年、成城大学大学院文学研究科美学・美術史専攻博士課程中途退学。2006年より広島市現代美術館にて勤務。
2008年『柳宗理〜手からうまれるかたち〜』、2011年『森村泰昌:なにものかへのレクイエム』、2012年『シャルロット・ペリアンと日本』、2013年『日本の70年代』などの巡回展を担当。2007年『金氏徹平展 splash & flake』、2007年『西野達展 比治山詣で』、2011-12年『この素晴らしき世界:アジアの現代美術から見る世界の今』、2015年『俯瞰の世界図』2016-17年『世界が妙だ! 立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画』などを企画。

難しかった審査を終えて
 今年もやってきました、アーツ・チャレンジ審査の時期。審査員の役目を仰せつかるのも今年で三度目となり、展示候補場所もおおよそ頭に入り、大体の応募プランは各スペースを思い浮かべながら落とし込むこともできるくらいになってきたと思う。
 昨年に引き続き今年も、舞台となる愛知芸術文化センターは一部で改修工事中だが、今回のアーツ・チャレンジでは12階のアートスペースGとHが復活し、その代わりというわけではないが、地下1階のアートスペースXは使用できない。アートスペースXは空間の真ん中に2本の柱が立つクセのある空間だが、GとHもそれぞれ大きな窓を備えた特徴的な展示室で、それを積極的に展示に取り込み活用するのか、それとも完全に無視してホワイトキューブとみなすのか、アイデア力が試されるスペースであることに変わりはない。
 さて、今年の応募プランについていえば、どれも甲乙付けがたく、逆にいえば、「コレはぜひとも見てみたい!」と思わせるプランが少なかった。厳しいように聞こえるかもしれないが、事実、満場一致で決まった作品は残念ながらなかった。さまざまなクセをもつ各スペースの特徴を活かした展示プランが出てくると唸らされるものだが、「確かにここでなければこの作品は成立しない」と思わせるくらい説得力をもった作品が、今回は少なかったように感じられた。4 名の審査員の票も分散したため、各作品の応募プランを繰り返し読み込み、審査員同士で意見を述べ合いつつ、応募者の意図を推測しながら作品の性質を捉えようと努める、という、根気が求められる検討、審査が続いた。
 今回は落選したものの、強く印象に残った作品を2点、ここで紹介しておきたい。ひとつは井上修志による、巨大な三角錐のような構造体を逆さにし、頂点だけの接地で自立させるというプラン。当然、安全性が求められることになるが、プラン実現のためのより具体的な技術案が見えなかったのが残念だった。もうひとつは、小川愛による、バターとハチミツがしたたる焼きたて(風)の大型トーストを平面と立体で再現する作品。唐突としか思えないモチーフの再現性はいかほどのものか、が気になった。二人ともまだ若い作家なので、今後の活躍に期待したいところである。
 なお、最終的に選ばれたのは8人(組)。彼らについての言及は、展覧会後の講評にまわすこととしたい。後悔のないよう実力を出し切れることを祈りつつ、実際の展示を楽しみにしている。




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