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あいちアートプログラム

選考委員と講評

[五十嵐太郎] [伊藤まゆみ] [角奈緒子] [拝戸雅彦]


■五十嵐太郎

あいちトリエンナーレ2013芸術監督・東北大学大学院工学研究科教授

フランス・パリ生まれ。東京大学工学部建築学科卒業、 東京大学大学院修士課程修了。博士(工学)。2009年から東北大学教授。2007~2009年文化庁芸術選奨(美術部門)推薦委員、2008年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館コミッショナー。あいちトリエンナーレ2010 では長者町企画コンペの選考委員。あいちトリエンナーレ2013芸術監督。2014年3月芸術選奨新人賞(文化庁)受賞。「3.11以後の建築」展ゲストキュレー ター、『戦後日本住宅伝説』展監修。著書に『忘却しない建築』(春秋社)、『日本建築入門ー近代と伝統』 (筑摩書房)、『現代日本建築家列伝』(河出書房新社)など。


■講評

アーツ・チャレンジ 2018 の審査を終え

 2017 年度のアーツ・チャレンジによって、10回目を迎えるという。第一回のほか、途中何度かの審査に関わっていた経験からいうと、当初は玉石混淆のかたちで多数のファイルが寄せられたが、その後、だんだんプロのアーティストをめざす応募者が中心となり、現在はかなり高レベルの戦いになっている。ところが、今回は愛知芸術文化センターの改修工事とぶつかることもあって、例年より展示場所が減っており、いつも以上に審査は困難をきわめた。通常ならば、入っていてもおかしくない作品の案が多く落ちている。結局、ボーダラインの当確を決めるのには、アーツ・チャレンジの特徴である場所との相性が大きく左右した。良い作品だけど、もう展示すべき場所がない、といったケースがいくつも起きている。また提案された場所では、その魅力が十分に引き出せないと審査員が判断し、場所の変更をお願いしているケースもあった。
  審査のときのメモをもとに、選ばれた案について言及しておく。佐藤美代は、わらべうたの取材をもとにアニメーションを制作する予定だが、資料として添付された DVDの映像がずば抜けて素晴らしく(今回、映像を提出した応募作は、全体的にやや低調だったせいもあるかもしれないが)、強く期待させることになった。それはほとんど完成の領域に達した作品だったが、アーツ・チャレンジに挑むのであれば、単なる洗練よりも作風が展開する契機になる瞬間に立ち会いたいと思う。応募ファイルの文章を読んで、もっとも感銘を受けたのは、山本愛子である。絶対音感をもつがゆえに、彼女がとらえる世界像の描写は瑞々しく、きわめて繊細で美しい。これが作品に反映されることを願う。小笠原智史と吉田絢乃は、迫力をもったドローイングを空間に展開していく提案であり、審査員一同がひきつけられた。是非、思う存分に空間を使い倒して欲しい。
  場所に対して見事な応答をしたのは、小宮太郎、道楽同盟、小笠原周だった。小宮は、マスキングテープによって空間にバグを引き起こす。改めて筆者もそういえば、ここにドアがあったのかと思い出したが、普段、ここを通る人ならば、余計、微妙な違和感をもつだろう。小笠原は、これまで地下通路の展示ケースにまったくなかったタイプの作品だが、なるほど、コマ漫画のように、小さな彫刻を入れていくというアイデアには舌を巻いた。道楽同盟は階段のレベル差を活用した提案であり、実績も申し分ない。
  なかなか決まらなかった最後のパズルのピースを埋めたのは、椋本真理子だった。ここに至るまで、様々な議論がなされた。実は本人の希望したところではないが、地下2階フォー ラムという難しいが、重要な場所に、土木構築物をウルトラ・ポップなテイストでユーモラスに彫刻化する作品を設置することで、空間のアイストップをつくり、観客を出迎えてくれるのではないか、という賭けを審査員はしたのである。グッド・ラック!



あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会事務局
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