あいちアートプログラム現代美術作品の制作・展示親子で楽しむコンサートTwitterFacebook
あいちアートプログラム

選考委員と講評

[五十嵐太郎] [伊藤まゆみ] [角奈緒子] [拝戸雅彦]


■角奈緒子

広島市現代美術館学芸員

広島県生まれ。2006年、成城大学大学院文学研究科美学・美術史専攻博士課程中途退学。2006年より広島市現代美術館にて勤務。2008年『柳宗理〜手からうまれるかたち〜』、2011年『森村泰昌:なにものかへのレクイエム』、2012年 『シャルロット・ペリアンと日本』、2013年『日本の70年代』などの巡回展を担当。2007年『金氏徹平展 splash & flake』、2007年『西野達展 比治山詣で』、2011-12年『この素晴らしき世界:アジアの現代美術から見る世界の今』、2014年『スリーピング・ビューティー』、2016-17年『世界が妙だ! 立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画』などを企画。


■講評

空間へのチャレンジ

 昨年に引き続き、アーツ・チャレンジの審査員を務めさせていただいた。この公募展は、作品アイデアを募集し、ファイルで審査するというもの。実際に展示された作品を見ながら判断するものではないため、審査する側の力理解力と想像力も試されている気がして、今年も気が引き締まる思いで各アイデアと向き合った。
  今年は、アーツ・チャレンジの会場となる愛知芸術文化センターに一部改修工事が入るなどの理由から、12階にあるアートスペースは会場候補とはならなかった。となると、会場の多くは、人が往来する通路や開けた空間など、作品展示のためにあつらえられたわけではない、いわゆるインビトウィーンなスペースとなる。唯一展示室らしいスペースには、部屋のほぼ真ん中に構造体の丸柱が2本そびえ立ち、純粋なホワイトキューブからはほど遠い。また、今回新たに会場として加わった「ビデオルーム」も部屋として独立してはいるものの、壁は有孔ボードで色はグレー。つまり、どの空間にもさまざまな異物が紛れ込んでいる。
  こうした空間に果敢にも挑もうという今年のチャレンジャーたちは、地元愛知県外からも多く集まった。この事実をどう捉えるかの判断は難しいところだが、本プログラムが全国に浸透した証拠と理解すれば、大変喜ばしいことだろう。
 今年集まった作品アイデアは、全体的に「おとなしめ」という印象だった。おとなしいのがダメというわけではもちろんないが、奇想天外な発想、こちらの想像をはるか超えてくるようなプレゼンテーション、これはぜひとも見てみたいと強く思わせる作品など、よくも悪くもインパクトの強い作品が少なかったように感じられた。逆に言えば、そういった作品がおのずと選ばれたのではないかと思っている。選考の過程で票が大きく分かれるということはあまりなかったと記憶しているが、数人については作品実現の可能性の点で評価が分かれたため最後まで検討を重ね、最終的に8人(組)が出揃った。うち4作家については、決して展示しやすいとはいえない、むしろクセの強い空間を選び、その特徴を生かした提案をしてくれた。また、他の4作家については、建物の管理上、どうしてもクリアすることが困難な制約や、提案作品の性質を考慮すると、ほかの会場の方がふさわしいのではないか、という判断から、応募者の当初の希望とは別の場所への変更を打診させていただいたが、みなさん快諾してくれた。
  希望どおりの場所での展示となったにせよ、別のスペースでの展示となるにせよ、難しい空間へのチャレンジに変わりはない。作品を際立たせてくれるわけではないという点で、ちょっといけずなスペースに負けないような、力強い作品が実現することを期待している。



あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会事務局
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